インフルエンザの診断は難しい

インフルエンザになったことのある人、まだ人生で1度もなったことのない人。
世の中には色々な人がインフルエンザに対して恐怖を覚えたり、時に知識を持ってみたりと悪い意味で知名度の高いインフルエンザ。
インフルエンザが流行するシーズンに突入すると、大々的に「過去最強の感染力」などのうたい文句でニュースでも取り上げられますが、実はインフルエンザの診断は非常に難しいものがあります。
熱が上がって症状も重い、インフルエンザが流行っている時期であればインフルエンザを疑うかと思いますがその時点で病院に行き検査をしても陰性の場合があります。
実はインフルエンザは発症してからすぐだと、ウイルスの増殖が初期段階であり数が少ないため検査で確認できません。
このような場合には、症状が発症してから6時間以上経過することで、ウイルスが増殖し検査結果を正しく知ることができます。
しかし注意しておきたいのがタミフルやリレンザと言った知名度の高いインフルエンザ治療薬は、発症後48時間以内に服用しなければ効果がないと言われています。
検査のタイミングが早すぎてしまうとこのように本来インフルエンザに感染しているのに、インフルエンザ治療薬を処方してもらえず症状が重症化する恐れがありますので、検査タイミングには十分配慮する必要があると言えるでしょう。
また、インフルエンザの診断は病院でなければ行うことができません。
通常の風邪であれば自身でも鏡を見ながら扁桃腺が腫れている、熱が上がってきたなどで予測できますし、病院でも喉を見たり症状を聞いたうえで風邪だと判断します。
しかしインフルエンザの検査は綿棒のような長い採取棒を鼻の奥にまで入れ込んで、その粘膜を専用のキットで調べます。
検査をしたことがある方であればわかると思いますが、あれ物凄く辛いですよね。
何故一般的な診療でインフルエンザを診断することができないのか。
それはインフルエンザウイルスが鼻の一番奥に付着しやすいためです。
ウイルスは鼻から入り込むと鼻腔、咽頭、喉頭などの上気道と呼ばれる粘膜に付着するため、一番正確に検査できるのが鼻粘膜となっています。
そのため喉を見て扁桃腺が腫れているなどでは、インフルエンザに感染しているのかどうか判断が難しいと言えます。
病院によってはサランラップなどに鼻水を出させたり、口の粘膜を採取して行う場合もありますが、これではウイルスの検出率が下がってしまい、正確な検査結果を出すことも難しくなります。
このようにインフルエンザの検査には「タイミング」と「治療薬の服用時間」が限られる中で、検査方法も一般的な風邪とは異なることから、検査方法は難しいと言うことができます。