インフルエンザの予防・治療

夏が終わり秋の終わりごろになると毎年のように流行するのが「インフルエンザ」です。職場や学校、電車など人の多く集まるでの感染が多く、インフルエンザの時期になると、くしゃみの音に敏感になる方も多いのではないでしょうか。
感染すると高熱が出て生活に支障が出たり、しばらく外出できなくなります。インフルエンザに感染しないための予防や、感染してからの治療は必要不可欠です。
こちらではインフルエンザの予防法や治療薬について解説しています。
毎年のインフルエンザの予防や治療について気になる方はご覧になって下さい。
日常の予防
インフルエンザは日常でも予防が大切です。
インフルエンザへの感染は2種類あります。
飛沫感染
インフルエンザ感染者がくしゃみや咳をした時に、飛沫(つばや鼻水)の中にウィルスが含まれています。あまり遠くまでは飛びませんが、近距離では飛沫は十分届きます。この飛沫が口や鼻、目などに付着すると、粘膜からウィルスが侵入し感染を起こします。
接触感染
ウィルスが付いた指を、目や口、鼻などの粘膜のある部分に触れることでウィルスが体内に侵入し感染します。
12月から3月の時期にインフルエンザが多い理由は、冷たく乾燥した環境ではインフルエンザウィルスが長時間活動しやすいからです。
ドアノブや電話のつり革、食器などに付着したウィルスに触った手から感染し、また別の人にも感染を広げることになります。
この二つを防ぐためには、マスクの着用とうがい・手洗いが良いとされます。
マスクの内側は、ウィルスの苦手とする湿潤で高温な環境なので、ウィルスが活動しにくくなります。
マスクは飛沫の侵入を防ぐとともに、自分から出る飛沫をせき止める働きもあります。
エチケットとして、自分が感染した場合に他の感染を防ぐことに繋がります。
うがいや手洗いは、外で付いたウィルスを体の粘膜と接触させない効果や、家の中に入れない働きがあります。手洗いは薬用せっけんもしくは、消毒アルコールを使用するのが効果的です。
その他は、栄養のある食事や睡眠をしっかり取ることで、抵抗力をアップさせウィルスに感染しにくい体づくりも予防の一つです。
タミフルなどのインフルエンザの治療薬を使用し、数日間服用することでインフルエンザの予防をすることもできます。
予防接種
インフルエンザの予防法で最もポピュラーなのが予防接種です。
本格的にインフルエンザが流行する12月前後に受ける方が多く、インフルエンザワクチンを接種してからおよそ2週間ほど経ってから効果が現れ始めるとされます。
インフルエンザワクチンとは、インフルエンザのウィルスから免疫を作るのに必要な成分のみを取り出したものです。そのためワクチンには感染力が無く、予防接種で体内に入れてもインフルエンザを発症することはありません。
免疫ができ抗体が作られることで、体内にインフルエンザウィルスが入ってきても対抗することができます。
13歳以下の小児の場合は、2回接種します。13歳以上では1回ですが場合により2回受けることもあります。
しかし予防接種はあくまで予防です。100%インフルエンザの感染を防げるものではありません。
毎年インフルエンザのワクチンは流行を予測し作られます。予測と違うウィルスが流行した場合は、2回作られることもあります。
実際に予防接種をしてもインフルエンザにかかる方もいます。しかし、ワクチンにはインフルエンザの感染を防ぐだけではなく、重症化を防ぐ役割もあります。
インフルエンザにかかったことがきっかけとなり、肺炎や脳症などの重い合併症になる場合がありこれを重症化といいます。
ワクチンを接種していればインフルエンザに感染するも低くなり、感染しても重症化させない働きがあります。
インフルエンザのウィルスは毎年一緒のものとは限らないため、今年予防接種したからといって、来年も効果が続くものではありません。ワクチンにも効果の期限があり、およそ5カ月ほどとされます。
インフルエンザの感染に心配な方は、毎年の予防接種がおススメです。
インフルエンザの治療・予防薬
タミフル
タミフルはスイスのロシュ社で開発された、抗ウィルス作用のあるインフルエンザの治療・予防薬です。
タミフルの成分オセルタミビルは、インフルエンザウィルスの細胞間感染を広げる働きをする、酵素ノイラミニダーゼの働きを阻害し、インフルエンザウィルスの増殖を防ぎます。
タミフルは治療と予防に使用することができ、治療の場合は1カプセルを1日2回、5日間続けて服用して下さい。
予防の場合は1カプセルを1日1回、7~10日間服用して下さい。
いずれも
感染初期の服用により、治療にかかる時間も短くなり症状も軽いもので済みます。
A型とB型、新型のインフルエンザウィルスに効果があるとされます。C型のインフルエンザウィルスには効果がありません。
タミフルの副作用として、主に腹痛、下痢、吐き気、発疹が現れます。まれに現れる重大な副作用として、肺炎やアナフィラキシーショックがあります。
1箱10カプセル入り、用量は75㎎(オセルタミビル酸塩)です。黄色と白色のカプセルが特徴です。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、特許が切れた新薬と同じ成分を使って作られる医薬品を指します。ジェネリックには「一般的な、ブランドに囚われない」などの意味があります。
新薬は先発薬ともいわれ、ジェネリック医薬品は後発医薬品と呼ばれています。
新薬は開発されると特許(物質特許・製法特許・用途特許・製剤特許)が与えられます。
この特許のうち主に物質特許が切れることで、開発した製薬会社以外の製薬会社も同じ成分を使って医薬品を作ることができます。
ジェネリック医薬品は、新薬には無かったタイプの医薬品(ゼリー・フィルム剤、チュアブル錠など)なども開発されることがあります。
新薬より後に開発される利点から、服用しやすい形状にしたり、味や使用感をさらに改良することができます。例えば新薬で苦味が強かったものを、甘みがあるものにしたり、苦味を感じない工夫をしたりなどの例があります。
成分は新薬で長期間に渡り治験が繰り返され、安全性や品質、効果が実証されています。さらに新薬もジェネリック医薬品も厚生労働省の厳しい審査基準をクリアしたものが製造・販売されますので、安心して使用することができます。
ただし副作用は新薬、ジェネリック医薬品のどちらにも現れるものなので、ご注意下さい。
ジェネリック医薬品は、診察した医師もしくは薬剤師に変更をの意を伝えることで、変更することができます。他におくすり手帳や健康保険証に「ジェネリック医薬品希望シール」に貼ることで、ジェネリックへの希望を意思表示することができます。
ジェネリック医薬品が安価な理由
ジェネリック医薬品の価格が新薬と比べ安価となる理由として、開発費があまりかからないことがあります。
新薬の開発には莫大な費用と時間がかかると言われ、研究に必要な物質や機材、人件費と、有効成分が発見されてから効果や副作用を確かめるため治験を繰り返すなど、1つの新薬の誕生には数年から十何年かかるとも言われています。
長い時間と費用をかけ発売された新薬には、特許が与えられ独占的に製造・販売することができます。これにより開発費を回収することができます。
ここで回収された費用はまた新薬の開発に使われるため、製薬会社にとっては必要な事になります。特許期間はおよそ20~25年ほどです。この間にも治験では確認できなかった安全性や有効性も確認されるようになります。
ジェネリック医薬品は、このすでに効果の実績が証明されている有効成分を使用するため、開発コストと時間を大幅に削減して、短い期間で開発することができます。
そのため、新薬の2割から5割ほどの価格で販売することができるわけです。
これがジェネリック医薬品が安価で発売できる理由です。
お勧めジェネリック医薬品
アンチフル
アンチフルアンチフルはインドのシプラ社が開発したタミフルのジェネリック薬です。
成分はタミフルと同じオセルタミビルが配合されています。
そのためタミフルと同じ抗ウィルス作用によりインフルエンザウィルスの増殖を防ぎ、感染の予防と治療を行うことができます。A型とB型のインフルエンザウィルスに適応します。
1箱10カプセル入りで、用量は75㎎(オセルタミビル酸塩)です。黄色と白色のカプセルが特徴です。
シプラ社は多くの疾患に対応するジェネリック医薬品を開発している、インドでも大手の製薬会社です。
オセフル
オセフルはオプト・ファーマ社が開発した、タミフルのジェネリック薬です。
成分はタミフルと同じオセルタミビルが配合されています。そのためタミフルと同じ抗ウィルス作用によりインフルエンザウィルスの増殖を防ぎ、感染の予防と治療を行うことができます。
1箱10カプセル入りで、用量は75㎎(オセルタミビル酸塩)です。黄色と白色のカプセルが特徴です。
アマンタジン
アマンタジンはMERZ社が開発した、A型インフルエンザとパーキンソン病の治療に使用されるシンメトレルのジェネリック医薬品です。
成分はシンメトレルと同じ、アマンタジンが配合されています。
アマンタジンは抗A型インフルエンザ作用があり、ウィルスの増殖を防ぐことで、インフルエンザの治療の効果が期待できます。
1箱10錠入り、用量は100㎎(アマンタジン)です。、錠剤はオレンジ色で小さい丸形です。
総括
インフルエンザは一年の一定期間に流行するウィルス性の疾患です。現在は早期に治療薬を使用することで、改善することのできる病気です。しかし症状は改善してもウィルスが体内にある1週間は外に出れないなど、生活や仕事に支障がでる厄介な症状です。
そのため、前もって予防しておくことが必要です。
タミフルは処方でなければ購入することのできない医薬品です。他のタミフルジェネリックなども国内で未認可のため、処方もされていません。
病院での予防接種では心配な方は、予防のためにタミフルやタミフルジェネリックを使用する方法もあります。
これらの医薬品海外の医薬品を扱う通販サイトを利用すれば購入することができます。